アマゾネスな物語・花のあすか組

ひばりとの関係が親戚ならば、トキ正宗も正体は親戚! ヨーコも実は・・・!
花のあすか組という作品がある。一旦は終了したが、新・花のあすか組としても続編が登場している。ひばりの正体とは何者か?!

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 旧で印象的だったのは、ヤクザが12歳くらいの可愛い女の子達を、大金を出すマニアのために用意するみたいなシーンだ。他にも女子中学生が、ヤクザ配下のチンピラに犯される。更正施設に入れられた女の子の中に売春していた少女も。新の方には、そのような えげつない話が無いので、人気は出ず打ち切りになった(ウェブコミックで大量アップロードができないので打ち切りという話はデマ)。旧の序盤には、「処女ですか〜?」と街角インタビューされた処女のあすかが、公衆の面前でスカートをまくって、ノーパンで生尻を見せるシーンまであった。

 さて、1つの大きな謎が残っている。全中裏のトップである「ひばり様」の正体だ。旧作の方では「ひばりの正体は企業秘密(明かしたら、面白みが半減する)」という作者の言葉があったが、結局、旧作の物語内では明かされる事は無かった。新あすか組で語られるのかと思い、コミックを買ったが、打ち切りみたいな形で終わり、しかも、ひばりの正体までは明かされなかった。期待外れで、騙された域だ。ともかく、作者からの公式な正体発表は無いという事だ。だが、「ひばりに正体がある」という事実だけは、作者の言葉から判明する。また、物語はひばりの正体に沿った設定や展開となっていて、作中から充分に暴ける事を意味する。

 ひばりの雰囲気や口調としては女で、20代弱〜アラサー未満のような年代となる。幼少期に落馬で足を悪くする。正体はあすかの近親者という線が堅い。まず、あすかの祖父「おじじ」というのは相当な富豪で、政財界の裏を仕切っている。それだけの富豪となればヤクザを従えたり、そもそもおじじの正体はヤクザの親玉の可能性も高い。実在の総理大臣の祖父が、●●組の組長という話は知られている。政財界とヤクザ界は、ほぼイコールなのだ。現実の政治家の顔がヤクザっぽいのはそのためだ。あくまで役割の分担に過ぎない。ギャンブルが一番分かりやすく、裏カジノなどヤクザがギャンブルを仕切っているイメージだが、財界の宝くじ、政界の競馬・競輪・競艇のように、政財界こそが実施している。全中裏という中学生や高校生の不良グループの総元締めがおじじという事になる。おじじの配下にひばりが存在するというわけだ。全中裏の配下にアイドルグループがあった。アイドル事務所はヤクザのビジネスの1つで、おじじとやはり繋がってゆく。(おじじは10巻で登場)

 全中裏という中学生集団のはずが、ひばりはずっと年上、特に幹部には女子中学生よりも年上のメンバーが集まっている。子供の頃から脚が悪いのに、ひばりが喧嘩の実力で不良グループのトップに立つ事はあり得ない。最初から組織が存在し、バックには富豪からのお金が存在して成立するのだ。おじじは表の教育界を仕切っている。表を健全な状態に保つには、裏こそをシッカリ抑える必要がある。つまり、全中裏を作り、ひばりに不良達を統率させているからこそ、不良ではない一般の生徒達を健全な状態に維持できるのだ。一方、あすかはいじめられていた。そんなあすかを強くしたり、居場所を作るために、おじじは全中裏を使った事になる。ひばりがあすかを可愛がりつつも、罰を与えたりできる事を考えると、単なる仕事ではなく、おじじにも許される近親者といえる。あすかの叔母・伯母なのか、従姉妹なのか、種違い・腹違いを含めて姉なのかを詰めてゆきたい。

 あすかに母親は健在で、よもや育ての親とは思えず、実子だと思われる。よって、ひばりの正体が、いつも一緒に暮らしているお母さんというのは無理がある。近くに行けば流石にばれるだろう。逆に血縁は全く無いとなると、「ひばりの正体」というテーマが成り立たない。「全中裏は金持ちのお嬢様ひばりの生きがいだった」程度の話は物語から誰もが読み取れるので、あえて正体というテーマを出さなくてもいいのだ。そのお嬢様の正体が、おじじの近親者という事に意味がある。おじじの私生児という場合には、やはりオバとなる。血縁者の場合、あるいは既に登場しているキャラクターの場合にのみ、ベールを取った時のインパクトが発生するのだ。ベールを取った時に初登場の顔でも成立するとすれば、同時におじじが現れて「我が娘だ、孫娘だ」みたいな話になる必要がある。「我が妻だ」で、あすかの婆ちゃんという事はないだろうが。血縁が無い場合があるとすれば、おじじの若奥さんがひばりだとか[笑](ひばりはレズなので、それは無い) おじじの本名は「篠宮 余一郎」となる。あすかの母方の祖父だ。あすかとおじじが会うシーンでは、おじじはあすががいじめられていた事を把握していた。「もう大丈夫なのか?(強くなれたのか?)」みたいな問いに、あすかは肯定で答えた。富豪、ましてやヤクザの親玉(組長ではないが、組長自体を配下に置く)が、自分の孫娘のイジメで何も行動しなかったというのは考えにくい。しかし直接助けたのでは、孫娘は弱いままだ。ひばりを使った可能性を高める。
 一方では、顔出しで登場しているキャラクターで、ひばりの正体を担当できる女がいないのだ。なお、幼少の頃に落馬して脚を悪くしているので、脚の悪いキャラクターとしても該当者は存在しない。また、そんな幼い時期から乗馬をやっていたとなれば、元より金持ちという事が分かる。おじじは政財界の裏の大物なので、奥さん以外に、どれだけの女を抱いているやら。隠し子の1人や2人、当然のはず。その中にひばりがいてもおかしくない(おじじの娘の場合)。いずれにしても、ひばりがベールをしている理由は、読者に顔を見せると正体がバレてしまうからだ。あすか自身や母の今日子に似ていたら、モロバレというわけで。ひばりが他の登場人物に顔を見られたくないだけならば、1人でいる時などに、ベールを取って素顔を読者に見せればいい。ヨーコとのバトルとかで、ベールを脱がされ、読者とヨーコだけが確認してもいい。

●ここまでの要点
1.作者には読者へ語れない「ひばりの正体」が存在する
2.足の悪いキャラなんて存在しないので、既出キャラに正体が存在するわけではない
3.顔を隠す理由は、読者に顔を知られたくないから

ならばあすかとの血縁関係が正体だ! 顔のベールが正体のポイント。改めて語るが、ひばりは誰から顔を隠しているのだろう? もちろん、下っ端の兵隊とかからも隠しているのだろうが、ならば信頼できる春日やあすかの前、そして1人の時などに素顔を出したシーンを描けばいい。やはり読者から隠すためにベールがあるのだ。

 あすかというのは、飛鳥で鳥に関係する。一方ひばりも雲雀で鳥の事だ。名前からも血縁の可能性を高める。(次は可能性は低いが一応、考察しておくと、)種違い腹違いの姉の場合、あすかの父親は平凡な男なので他の女に子供を作っていたと考えるより、あすかの母が姉を産んでいたという事の方がまだ可能性はある。おじじとの血縁を作るには、母方である必要がある。母は結婚相手としておじじにヤクザの幹部候補を当てられ、ひばりを生む。たが、本当に好きな男と駆け落ちして結婚、そしてあすかが生まれるわけだ。つまり、あすかは姉の事を知らない。もちろん、姉という場合の話であって、オバ説は捨てがたい。当サイトとしては、あすかのオバが一押し(根拠も述べてゆく)。あすかの教育に失敗したのは、漫画を見る限り、母親の今日子だ。よって、もう1人の母親になり得る、親戚のひばりが登場となったわけだ。あすかの母・今日子は末娘なので、姉妹の場合にはひばりの方が年上になる? いいや違う、ひばりは隠し子なので公表はされないだけ。末娘は確定事項ではなく、あくまで物語内のマスコミが末娘だと語っているだけなのだ。
 ひばりにとって親戚であるあすかは、自分の子供ではないとはいえ、自分の血を持ち、子供のように可愛がれるし、あすかへ重要なポジションを与えやすい。あすかの母親は甘やかしマザーで、穏やかな人格。人物像からは駆け落ちというのは本来、想定できない。だが、その人格だからこそヤクザの娘という立場が嫌(ヤクザに嫁がされ、息子ができたら確実にヤクザになるのは嫌)で、一般人の男と結婚したというわけだ。おじじに関し、必ずしもヤクザの組長という意味ではなく、ヤクザの組長を育成したり雇ったり従わせ、親族に運営させるような大物となる。今日子はおじじのサポートを知らないというのが、当ページではおすすめ。おじじの孫娘が自殺未遂というのは新聞に載ったので、おじじは知って陰ながらのサポートを決意した。

 ネットを調べると「既に顔出しで登場している者が正体」にこだわる思考もある。要するに、ひばりと同シーンには登場していない者が候補に挙げられる。ひばりがおじじの配下で、おじじがヤクザを従えているとなると、候補としてトキ正宗(ヤクザの組長だが若い)を挙げる人もいる。しかし、トキ正宗だというのはファンの創作であって考察ではない。もちろん、筆者としては、トキ正宗ではピンと来ていない。脚の事もあるし。ひばりとあすかにはベッドシーンがある。女同士でも充分に成立する。あすかは処女は失っていないはずで、女同士ならば問題無いわけだ。また、ベールというのは、あくまで配下の者や読者に対してであって、あすかは素顔を見ている可能性が高い。なお、正体がトキ正宗という創作をした人は、おじじの正体がヤクザの親分でひばりを雇っているという所までは発見している。その後、見当外れの所へ飛んでしまったのだ。ひばりが実は男という連想は、花のあすか組では見当外れながらも、実は馬鹿げてはいない。同じ時代には「ストップ!!ひばりくん!」というオカマ(男だけど女装)の漫画アニメが存在しており、その影響が強いのだ。ひばりんくんのひばりは、ヤクザの息子というのも大きい。

 ひばりというテーマから外れて、トキ正宗の考察もしておく。まずは、「あすかの従兄では?」と考察。つまり、おじじの孫だ。たまには利害関係でぶつかる事もあれど、あすかへのサポートがバッチリなのだ。ひばりの管轄外で問題が起きた場合に、手助けする役目をおじじから与えられていたのだ。調子に乗り過ぎたあすかがヤクザと関わった場合に、すっと間に入るような、全中裏では対応しきれない役柄が必要になる。正宗がヤクザの組長ならば、気に入ったあすかを強引に女にしてもいいはず。踏み切れない理由は、自分の親戚なので、本人の意志も尊重したい相手となるからだ。また、強引に女にしたら、おじじや親戚のヒバリに怒られる可能性もある。正宗は、あすかを真剣に気に入ったんだとか反論したい人もいるかも知れない。しかし、親戚娘を真剣に気に入る事もあれば、親戚だからといって必ずしも気に入るわけではない。つまり、真剣に気に入ったという事実は、血縁の証拠を覆すには至らない。おじじの直系に男がいれば、若い内から頭角を現すはず。実にスムーズに組長になったりと。かなりのイケメンな所は、美形のあすかの従兄を想定できる。また、気に入ったと言いながら、あすかを妹扱い。ポイントはあすか起点ではなく、おじじ起点。おじじの孫という設定が重要であって、自動的に親戚になるという結果の話なのだ。本名は篠宮トキ正宗だったりして。まあ、ひばりの話程には強調しないでおく。ひばり親族説は95%の自信だが、トキ正宗親族説は30%程度の話。ん? トキといえば朱鷺、鳥にそういう名前がいたなぁ、一気に70%にアップ! 鳥のトキはオスが攻撃的で、体長は75cmあり、鷹よりも大きい(タカは50〜60cmでトンビの方が大きいくらい)。あすか、HIBARIやトキを漢字にしない事で、作者は鳥という連想を断ち切っていたのだ。あすかの母が駆け落ちという事は、親戚付き合いが薄い。あすかは主に母方の親戚を知らないはず。ひばりとトキ正宗という親戚を。まあ、おじじとは会っているが。強くなったあすかは、おじじの手引きである事は察したかも知れない。まさかヒバリが親族だとか、更にはトキ正宗までも親戚という事までは知らないにしても。
 考察が進み、トキ正宗をあすかのイトコではなく、おじじの末息子(隠し子)だと判断した。おじじには若い愛人(名取継子)もいて、その女に子供が出来れば、あすかよりも年下のオジオバさえあり得るのだから。継子とヤクザには物語内で繋がりがある。というか、継子はヤクザの娘かも。ヤクザ同然の愛人の息子だと、ヤクザに育成しやすい。他にも誤差があるとして、おじじの指令ではなく、トキ正宗が自分の意志であすかを護衛した可能性もある。あすかがおじじの孫娘という事実は新聞にも載るようなバレバレ状態。トキ正宗が姪あすかの様子を見て気に入ったので、親戚というのもあり護衛する事にしたという経緯だ。
 トキ正宗の行動は、ひばりの依頼ということもあり得る。トキ正宗の組と全中裏は、持ちつ持たれつの関係。親戚がそれぞれのトップなのだから、特別に争う必要は無い。美形のあすかをチンピラが犯したくなっても、「あすかはヤクザ組長のお気に入り」となれば、そうそう手出しされない。トキ正宗がおじじの指令であすかを守るとして、姪っ子だからこそ、あすかと対峙する場面もあり得た。あすかに高圧的な態度を取ってもおじじに許されるとなれば、トキ正宗自身が、おじじの息子だからこそ。おじじの愛人の子となろう。おじじの愛人が登場してあすかと揉めたが、その女の息子がトキ正宗なのだ。

 さて、こうなると、ひばりの弟がトキ正宗という、実に単純な関係が真相と言えよう。姉弟ならば無闇に争うわけがないし、持ちつ持たれつも納得。トキ正宗に似た ひばりの顔を描いた日には、関係がバレるというわけで、作者が描くわけがない。おじじの愛人(名取継子)は作中に出てくる。40歳代だろうか。名取継子はヤクザと繋がりがあるが、息子がヤクザなら当然の話。ひばりやトキ正宗の母親と判断した。あすか組は昭和の漫画なのだから、15歳で子供が居ても、おかしな所はない。幽遊白書という漫画は平成だが、主人公の母親は14歳くらいで妊娠している。

 ここで、ひばりにトキと来れば、アスカとは何の鳥だろう? カラス使いである事から、普通にカラスでよいだろう。カラスでは女の子の名前として不適合だが、カとスの2文字もアスカは共有している。カラスを並び替えてラスカ・RASUKA、語呂が同等で、英文字だと6文字中5文字も共通で、しかもASUKAは全て含まれる。カラスは確定的だ。カラスもヒバリも、スズメ目という分類に属する。そしておじじの鳥は? こじつけという解釈で構わないが、おじじ余一郎はフクロウだと考えている。ロウの2文字しか取っていないが、黒幕に相応しい鳥で、筆者なりに確信している。余の意味は「余り物には福がある」で、余=福かな。作者は本当は福一郎とかにしたかったのだろう。
 正宗と与一という歴史上の人物がいて、両者共に武器に関係する。ファイナルファンタジー(ゲーム界では有名)に与一の弓と正宗という刀が登場。あすかの敵に近くで切り込む刀に対し、遠くから援護する弓がイメージされている。福郎でも名前としては成立するがモロバレなので、福を余にして余郎。これでは不自然なので、「よ」の付く古風な名前を探して、与一を発見した。合成して余一郎といった所。筆者の考え過ぎ? いいや、筆者の語る設定みたいなのを生み出す人こそがヒット作品を書くのだ。
 ヒバリやトキなど、偶然にも鳥の名前を持った人物達があすかを気に入ると考えるよりも、最初から親戚一同による更正と保護だったのだ。今日子は鳥とは違うだろう? という突っ込みにも、予め答えておく。あすかの明日に対し、今日子は今日だという意味はもちろんある。しかし、キョウと読む鳥もやはり存在する。なんと、ふくろう(鴞)だ! キョウと読む鳥は他にも、しらさぎ(鵁)、のすり(鵟)、やまどり(鷮)などがある。 
 余一郎に対し、フクロウという正体がバレると、ヒバリの親族だと連想されてしまう。だから、福から余に変更したのだ。トキ正宗も、トキという名前だけだと鳥だと気付かれてしまう。正宗を付随させて煙に巻いたのだ。少年漫画だが、北斗の拳に登場する男キャラにトキはいるので、トキだけでも男の名前だ。まあ、ひばり=正宗という誤った連想の人は現れた。ヒバリにトキという2つまでならば、あくまで偶然の域だし、ひばりとトキ正宗の関係は知られても致命的ではない。おじじやあすかと繋がった時にネタバレしてしまうのだ。証拠の数というのは重要で、1つ2つまでならば偶然で済まされる事でも、3つ4つ来たらもう覆せない。

 後日、調査したら、一般用語のアスカという名前自体、イスカという鳥の名前が語源という話がある。あすかはカラスを従わせているし、カラスでもイスカでも鳥なのだから、好きな方の採用をどうぞ。

 ヨーコの台詞に「わたしと ひばりは対極にいる」とある。ひばりは全中裏という「組織」を使って活動しているが、ヨーコは「単独」で活動という意味で、対極にいるというのが通説だ。筆者としては別にこの通説でも構わない。しかし、意味深な台詞である事と、当ページの情報を加味すると、もう1つの仮説が出る。実はヨーコもおじじという富豪の関係者なのだ。支配下ではなく、奔放に活動できる側面もあろう。その意味で対極なのだ。
 次は面白い話。ヨーコ……ミコの腹違いの姉で私生児。ヨーコもオジジの孫娘(息子の娘)では? しかし、篠宮に籍は入っていない。鬼島こそがオジジの息子で、オジジの隠し子だったり、勘当されるなどして篠宮からは追放されている。説のポイントとしては、ひばりはともかく、公表されているオジジの娘は今日子だけという設定が成立する。
 なんで、こんな事を急に言い出すかというと、ヨーコの名前に注目したのだ。公式では陽湖となっているが、当初はカタカナ。おじじの血族だとすると、鳥の名前も入るはず。鷹子(ようこ)または鷹湖がヨーコの裏の名前だ! ヨーコにもし鳥の名称を与えるとなると、鷹がふさわしい事は納得してもらえるだろう。
 ここまで話すと、対極の意味が強くなってゆく。おじじの家に残ったままのヒバリに対し、家には入れてもらえないヨーコは対極なのだ! 実は親戚となれば、道理でひばりに対抗意識を持つはず。あすかとヨーコが出会ったのは運命という思考で構わない。もちろん、ヨーコの陰謀でも面白い。実はあすかが篠宮余一郎の孫娘というのは他者にはバレバレ。自殺未遂が新聞に出ていたくらい。ヒバリは仕事であすかと関わったが、ヨーコはおじじの孫娘と知り、計略であすかと関わったという対極の関係だ。なぜ、ヨーコはあすかを何度も裏切るのか? 駆け落ち夫婦の娘の癖に、おじじの保護を受けているあすかに対し、同じ孫なのにどうあっても家に入れてもらえないヨーコがあすかを憎むのは当然だ。似た者同士のはずだったが、あすかは特別扱いされる。その怒りが、あすかのみならず、ひばりやトキ正宗にも向けられる態度と合致する。ヨーコの敵は、父を切り捨てたおじじの血族そのものなのだ。となると、ヨーコがあすかに近づいた理由は、あすかがおじじの孫だから。もし、おじじと関係の無い小娘だとしたら、無視していた。相当に利用できる事を確信して近づいたあすかを好きになってしまったので、可愛がりもした。ヨーコに裏切られたあすかは、拳銃の横流しをした事にされた。これは、単にあすかを切り捨てるにしてもタチが悪過ぎる。おじじの孫だからこその嫌がらせだ。そして、あすかのピンチにタイミング良く、ひばりの手の者が現れる(全中裏との初めての接触)。
 ヨーコは育ての家族(鬼島の妻の兄弟)からは「誰の子かも分からない」とされているが、ミコとは父親を共有している。つまり、父親(誰の子か)は確定しているのだ。改めて、対極の意味を考える。ひばりは血族であるオジジの現体制を維持する事が目的なのに対し、ヨーコは血族であるからこその現体制の破壊が目的だ。ヨーコの謎を解くには、まず、「ひばり=篠宮のお嬢」を確定させねば到達できない、深い設定だったのだ。ヨーコがいくら実力者とはいえ、ひばりと対極となると、ヨーコにもそれなりの基盤が無ければならない。ヨーコには組織が存在しないのに対極を名乗れるとなれば、血統こそが決め手だ。ひばりの顔が出ない理由は、ヨーコや今日子と顔が似過ぎるからという作者の事情もあろう。ただでさえ、同じ作者の絵柄だと人物は似やすい。その上で、「裏設定が実は親戚」という人物を顔出しで描くのは、かなり難しいのだ。トキ政宗は男なので、なんとかなった。しかし、ひばりはヨーコや あすかに顔が似ておかしくない親戚となるわけで、ネタバレさせずに作者が顔を描くのは苦しくなる。
 一方、おじじの息子の1人がおじじに勘当され、篠宮家を追い出されていたとしたら、今日子の駆け落ちが実現しやすくなる。妹の今日子が駆け落ちする事を、おじじは黙認せざるを得なくなる。陽湖とあすかとには3〜4つの年齢差がある。鬼島が篠宮家を追い出されなければ、ヨーコは今頃は篠宮鷹子として、不自由のない暮らしをしていたはず。次は空想度合いが強くなり、鷹子の父親の名前には鳶(えん・とんび)を割り当て可能。鳶が鷹を生むというオチで。陽湖も頭脳明晰で、才能はおじじ譲りなのだ。陽湖という漢字は、篠宮家に入れてもらえない鷹子から、鳥の意味を取られてしまった結果なのかも。
 ミコは鬼島の娘。ミコまでもあすかのイトコになってしまう所が気になっている? ミコアイサという鳥がいて、むしろ、ミコも篠宮一族の証拠がある。「陽湖の親とアスカの関係」というテーマで探しても、恐らく該当項目は見つからない。しかし、今日子の兄というテーマで探せば、見つかってしまうのだ。
 トキ正宗・叔父説を70%の自信とすると、ヨーコ従姉説は50%といった所。もう一度、コミックを隅々まで読み返せば、60%に到達できる証拠は挙げられると考えている。また、ヨーコがイトコとなれば、トキ正宗の親族説の証拠になり、トキ正宗があすかの血縁者の可能性も80%にアップする。


ヨーコについてまとめ……鬼島を篠宮家の隠し息子だと考えると、ヨーコは容易にあすかの親族に。同じくオジジの孫娘なのに、あすかはサポートが厚く、ヨーコは捨てられている。あすかのようにオジジのサポートが受けられないヨーコは、あすかを憎んで当然。あすかを憎む理由があるとしたら、あすかがおじじの孫だからで、なぜ孫だと憎むのかというと、ヨーコ自体がおじじの血族だからこそ。


今日子についてまとめ……今日子は兄(ヨーコの父)が家を追い出されたのを見て、自分も駆け落ちしやすいと判断した。おじじの家だと、娘達の旦那はおじじに決められてしまう。(ひばりは脚の事もあり、カップリングが非常に難しく独身のままに。旦那を金目当ての適当な馬の骨というわけにもゆかない。また、ひばりは既にレズ。) 自分から出て行った今日子は、陽湖の親よりは、おじじに泣きつき可能。今日子の旦那は、ちゃんと今日子を愛し、お金目的ではなかったので、今のおじじはそこまで尖らない。むしろ、あすかを立ち直らせたので付き合いが再開したくらい。ひばりの正体を考えるからこそ、当ページが出来るまで、「結局は謎」という結論を出したり、いるはずだけどなかなか定まらない人が多かった。しかし、絶対に存在する「今日子の家族の正体」というテーマで考えれば、アッサリ解決したのだ。

鳥の名前おさらい……ひばりだけがストレートで、トキ正宗も読み取れる。しかし、あすか(カラス)、ミコ(ミコアイサ)、余一郎(フクロウ)、今日子(ノスリ)、ヨーコ(タカ)となってゆくと、相当に暗号解読力や国語力が必要となる。母がキョーコ・Kyokoで、ライバルがヨーコ・Yokoだと、語呂がかぶってしまっている。しかし、実はオバ姪の関係だったのだ。ちなみに、今日子は、のすり(語尾の「り」がひばりと共通)という事で。ノスリはカラスとは同じ大きさ、実力の割りには臆病。おじじの娘で駆け落ちする性質も持っているのだから、本気になれば、あすかでも勝てないはず。空想を続けると、ひばり(弱いが気高い)、とび(陽湖の父でとんび)、のすり(今日子)という事で。ひばりの鳥言葉は「太陽の友人」。鳥言葉ではないが、フクロウは月のイメージが強い。
出典は野鳥情報.comさんより
 このブロックは別に信じなくてもいいが、当ページの筆者が信じていることがある。他にも何人もおじじの隠し子・隠し孫がたくさんいて、その親戚メンバーで物語が構成されているのが実態だと。例えば、姫はヒメウズラでやはりおじじの子孫。千代田区エリアマスターで、お嬢様っぽい東條寧々(ねね)は、ネネというハワイのガン(鳥の種類)の仲間。市花文緒(いちはな ふみお)は、文(ぶん)緒(ちょ)なので、文鳥という鳥になる。もしかすると、エリアマスター全員が、おじじの娘、孫娘、ひ孫娘なんてことも。

おじじの愛人関連
 おじじの愛人の名は名取継子(つぐこ)で、「つぐ」の付く名前で思い浮かぶのは、ツグミという鳥。そして、その鳥の姿はヒバリに近い(オスではなくメスの色で比べるといい)。加えて、「子」という漢字は、なんと「み」とも読む(例……鱲子はカラスミと読む)。更には、なとりという苗字は、「名鳥=鳥の名」という意味。継子=つぐみは確定的。要点としては、継子もヒバリも鳥の名前。この思考がまだ無い時でも、愛人の娘がひばりだと考察できていたので、もう覆るまい。おじじの愛人がヤクザと繋がりがあるという事は、おじじ自身もヤクザと繋がりがある事が確定した。改めて考えてほしいが、名取ツグミという名前だったら、鈍い読者でも鳥の名前さえ知ればヒバリと関係者だと分かってしまう。しかし、全く連想できない名前では、作者は意地悪すぎる。「実は母娘だけど、絶対にばれないような表現」は創作家としてのポリシーに沿わない。ヒントはちゃんと用意し、「別の読み方をすると鳥の名前ツグミになる」を、作者が選択したというわけだ。
 一方、継子は確かに登場した愛人だが、継子1人だけが愛人で確定したわけではない。言い換えると、他にもおじじの愛人はいてもいい。ヨーコの父親は、おじじの息子だと考察したが、必ずしも正妻の子である必要はなく、愛人との隠し子でも成立。隠し子の血だからこそ、ヨーコは困っていた時に全くおじじの支援は受けられず、正妻との孫のあすかは支援を受けまくり。この扱いの差がヨーコの裏切りの原因でも筋は通る。

 あすかの母・今日子も、正体は元スケバンかも知れない。ひばりのような事をさせられそうになり、それは嫌で駆け落ちしてオジジから逃げたか。あるいは、スケバンやってたけれど、恋に落ちてしまい、駆け落ちしたか。これは血縁関係・当ページの主題には影響しない(元スケバンに納得できなくても、他の部分には影響しない)。

 一見、篠宮一族の話ではないが、謎の1つとして、春日の存在がある。正体が男というのはネットでも知られてきている。全中裏という女の世界だが、世の中には(男子校など)男でないと出入りできない場所があったり、男が適格となる交渉(男だらけの会合で嘗められないように)やレイプの危険など女では成立しない場合がある。そのために、要職の春日は、いざとなれば本物の男として行動する。春日の年代の青少年が頭にある事と言えば、女の子とセクロスする事以外には考えにくい。しかし、全中裏の少女達とハーレム三昧ではまずい。よって、中国の宦官のように、精巣を摘出された立場なのかも知れない。去勢されているので、女の身体には興味がなく、高い立場で任務を遂行できるのだ。なお、サオの部分は残るので、股間を触られても、女と判断する人はいない。上半身を裸にしても、もちろん男の胸が飛び出るだけだ。他の思考としては、両性具有の男因子が強い人だったり、戸籍は男だが思春期に女体化した人だったり、男だが怪我や精巣の病気でタマナシというケースが考えられる(ヤクザが児童娘をマニアに紹介する漫画の話なのだから、玉無しくらいで引かないでもらいたい)。いずれにしても、普通の男ではなく、特殊だからこそ全中裏にいられる。もう一度、強調したいが、健康な(健康でなくても精巣さえあれば)18歳の青少年の頭の中は、セクロスのみ! 全中裏にいたら、絶対に間違いが起きる。ホモでも本物だという証明は難しい(ホモだと偽り、内心で女の身体を狙うのはまずい)し、真性でも全く別の意味で問題を起こして笑い者になる(そんな男は要職に就かせられない)。ちなみに、中国の宦官は、ハニートラップ(女性に誘惑され裏切る)の危険が無いので、要職に就く事が出来る。皇帝妃などに近づいても、たらし込んだり妊娠させる事がないので信頼できるのだ。春日はハニートラップに引っ掛からないし、全中裏の女幹部をたらし込む事もないし、兵隊を孕ませる事もない信頼できる男というわけだ。春日がレズのひばりに欲情して犯したり、女王ひばりが春日のセックスで堕ちる心配は無いのだ。
 春日の話を続けると、「花のあすか組」とだいたい同じ時期の実写ドラマに「ヤヌスの鏡」という作品があった。その作品には不良女子のグループがあったのだが、幹部にオカマがいた。オカマ1人だけ女達より背が高かった(男の身長だった)が問題無かった。女を性的にたぶらかしたりしない男ならば、女の世界に入れるというわけだ。

 それから、アスカとカスガの名前が似すぎている。語呂はもちろん韻を踏んでいる(母音がAUA)。漢字でも明日香に対し春日。あすかの祖母の血筋なのかも。その場合、春日とひばりには血縁ができない。しかしながら親戚という立ち位置。おじじがひばりを任せるには、絶妙な立場だ。

 ひばりなどは、鳥の名前にもなる一方、日時を示す漢字も当てられる。「はり」を漢字変換すると、晴の字が出る。あすか……明日、ひばり……日晴、トキ正宗……時、陽湖。漢字のパーツをチェックすると、日が確実に登場し、女キャラには月や明が登場する。いやいや、こんな分析しなくても、あすかの叔父と叔母が、トキ政宗とひばりなんだから、もう受け入れて欲しい。

 ひばりの次に謎があるのがおじじというわけで、ひばりが血縁者ならば同時に謎が解ける。いずれにしても、おじじがキーパーソンと言える。あすかにピアスの片方になる真珠を贈った。そして、もう片方はひばりより与えられた。これはおじじとひばりの2人が関係者である事を示唆している。篠宮ひばり(名取ひばり)がヒバリの正体だ! ちなみに、真珠には守護の属性がある。

 花のあすか組では、フルネームが存在するキャラクターと、姫や紅など通称(称号)だけが存在するキャラクターとに分かれている。おじじの愛人にフルネームが設定されているのに、ひばりやトキ正宗に苗字が未設定なんておかしい。フルネームを全員に設定すると親族関係がバレてしまうので、多くのキャラクターを称号で呼んだりする事で回避していたのだ。篠宮トキ正宗や篠宮ひばりなんて名前が出てしまったら、ネタバレは確定というわけで。また、ヨーコなど、親族のキャラクターをあえて鬼島と名乗らせつつ私生児とする事で、親族という連想を断ち切りつつ、親族の可能性を示唆するテクニックも存在する。

ひばりについてまとめ
……おじじが噛んでいる事は有力。教育界の表はおじじが、連携して裏をひばりに担当させる事で平穏が保たれる。ひばりと血縁が無くおじじからの仕事依頼で、ひばりがあすかの再教育を実施するとなると、あすかへ懲罰を与える事に説明がしにくい。おじじから預かったおじじの親族を打ちのめしても許されるとなれば、ひばり自身が親族だからこそ。ひばりがおじじから「やり過ぎじゃ」のように口出しされても、「私に任せた以上は黙っていて」と切り返すには、おじじの娘や孫娘くらいの位置関係でないと成立しない。また、家を抜けた今日子の娘に対してならば、立場が上になりやすく、可愛さ余って憎さも現れる実態に沿っている。また、名前を分析すると、「篠宮一族 = 鳥」となり、おじじとひばりとは血族となる。

あすかのオバ(おじじの隠し子)の場合……私生児あるいは怪我のため、社交界やマスコミとかには非公開だという根拠が必要になる(裏組織を娘に運営させている事を公開できるわけもないというのは根拠。作者がおじじの娘の数をわざと設定で少なくし、ひばり=オバという連想を断ち切るトリックが証明できれば万端)。裏読みすると、作中のマスコミの発表でわざわざ「おじじの娘は今日子だけ」というシーンがある事自体が、ひばりが隠し娘である根拠。女好きのおじじに今日子以外の娘が居ても、なんの不自然さもないのに、わざわざひばりの正体を塞ぎに来る事自体が、ひばりが隠し子だからこそ。ひばりはそんなに年増ではないものの、愛人の子ならばあすかと年が10歳差とかでも成立。おじじの子供なんて、あすかの母以外は、誰一人まともに出ていない(表向きには)。そんな中、「おじじに娘は一人だけで、他は男」という情報はどうでもいいはずで、設定すら不要のはず。にもかかわらず、その設定がバッチリと物語で語られるなんて不自然極まりない。要するに、ひばりを隠したい以外には、表現が不要な要素なのだ。更には、愛人・継子の名前は鳥の「ツグミ」を連想させ、鳥のヒバリに極めてマッチ。
あすかのイトコ(おじじの孫娘)の場合……おじじに孫娘が何人かいる話は作中にあり、特に矛盾は無いが、正体としてはオバよりも面白くない(面白くないは主観なので、イトコでバッチリと思う人が多ければ成立)。ヨーコもイトコなので、血筋ではひばりと対等になりマッチする。ただ、おじじがひばりの親をすっ飛ばして、ひばりに直接コンタクトというのもおかしい。おじじの子供で、更に ひばりの親らしき人物が登場しているべき。
おじじの姪っ子(あすかのイトコオバ)の場合……おじじの娘の数に依存せず、しかもおじじの保護に入りやすいが、ややっこし過ぎるのが難点。物語では、おじじに姪がいる話なんて出てこないのが欠点(そりゃ姪くらいいるだろうが、全く語られないのはまずい)。矛盾は無くても、欠点がある。

  筆者の結論としては、オバで決まりといった所。隠し子なので金の力で表向きに「おじじの娘は今日子だけ」というわけだ。マスコミが「娘は今日子だけ」と言っているだけで、裏設定までもその通りだとは限らないというトリック。あすか組とそう時代は変わらない作品に、プロゴルファー祈子というドラマがある。急出世し社長になる男が、若い頃に赤坂(東京の飲み屋街)の芸子(芸者)を妊娠させるのだが、生まれた赤子は養子に出して、表向きには社長の子供は正妻との間に生まれた1人となっていた。おじじも若き日の継子を妊娠させたら、子供が養子とか、隠し子になるのは当然の成り行き。花のあすか組内のマスコミの報道と裏設定は全く別物なのだ。
 確か、愛人の名取継子が出た話と同じ話で、マスコミから「今日子は末娘で娘は1人」という話が出た。おじじに愛人がいるとなれば、当然、子供が居ると考える人もいて、作中にいるとまで考える人が出るかも知れない。そう思った作者は、ひばりにたどり着くのを防ぐために、愛人と同じ話で急遽「マスコミの話では1人娘」というシーンを作ったわけだ。だが、分析すると、そんなマスコミの話がある事自体が著しく不自然というわけだ。もっと不自然な状況は、そもそも娘が今日子1人だけという設定そのもの。娘が複数いてもいいわけだし、設定自体が無くてもいいのに、唐突に1人だけを強調するからだ。
 

ひばり=オバ説にたどり着いた理由
 気づいていると思うが、このページの筆者は男だ。少年漫画をたくさん読んでいる。一方、姉妹がいるので、自宅には大量の少女漫画。平成初期だと、コミックを見る際には、単行本を購入するのが主体となる(当時はレンタルもあった)。また、親の扶養にあると、漫画購入は小遣いから工面する事になる。筆者が新たな少年漫画を買う事が出来ない場合、自宅にある少女漫画を手に取るのは、別に不自然ではない。ましてや、姉妹から「あの作品は面白いんだ」とか口癖のように言われれば。ページ筆者は「女が面白いと言う作品なんて、どうせ……」のような思想ではない。「男女共通する面白い作品はあるはず」という認識となる。現に面白い少女漫画はいくつも発見した。
 ここで、筆者の場合は、男の視点であすか組を分析する事ができる。あすか組の読者は大半が女性と考えられる。女性では気付けない事が次々と見えたのだ。結果、「ひばりはおじじの娘で、あすかのオバ」という結論に達した。
 例えば、おじじには、ずっと年下の愛人(継子)がいる。女性読者ならば、「男の人はいくつになっても、女が必要なのね」のような感想だろうか。しかし、男の視点では、セックスしていると解釈する。セックスできない女を愛人にする必要性はゼロ。しかし、ジジイがやっているのは不自然。となると、肉体関係はもっと若い頃という発想になる。おじじに隠し子がいてもいいのだ。愛人はあすかに「ババア」と呼ばれるが、トキ正宗を作った20年前はピチピチの美人。おじじも中年で性欲も充分。ひばりやトキ正宗を作ってもおかしくない。おじじは「女は若い方がいい」と、あすかに語る。20年前なら、あすかが見ても若いでしょ。令和でも40歳代は流石にオバサン。昭和の40歳代なんて、確実にババアだ。「若い女」とは言いがたい。20年前のおじじが50歳くらいの富豪だとして、40歳くらいの愛人を作るわけがなく、ピチピチの20歳前後だと想像できるのだ。「女は若い方がいい」と語るのに、継子が40歳くらいの理由。それは彼女が20歳くらいの時に愛人にしたからだ(昭和の漫画なので、15歳でもいい。不良少女の継子を保護したはいいが、惚れてしまったとか)。おじじは老人になったし、ずっと見てきた女なので、40歳くらいでも当時と変わってないように感じるという道理。恐らく、この手の視点を持てる女性は少ない。更に「ひばりの正体」という考察動機が必要なわけだし。
 別の視点も解説しておこう。特に物語を作った事があるならば、女性でも把握できる話。物語でおじじが登場したわけだが、女は若い方がいいと語らせたり、愛人を出す必要性という観点で見ると、隠し子がいない限り、そんな表現は不要だ。言い換えると、老人男に女好きという表現が出たら、多くの場合に隠し子がいるという意味になる。


 さて、ではその設定(ひばりはおじじの近親)がどうして明かされなかったのか? あすかはいじめられっ子だったが、ひばりに支えられ、精神的に強くなったというドラマが基盤になっている。にもかかわらず、実はおじじが道筋を用意していただけ。「金持ちじゃないと、いじめられっ子が影という護衛を得たり、スケバンになれるはずもないだろ、ばーか」という話になってしまう。あすかは金持ちの血筋だから、徹底的に支援され優遇され強くなれた……理屈ではバッチリだ。しかし、この理屈でファンの多くは納得するわけもない。感情でファンになっていた人達から強いクレームがあり得る。理屈でファンになっていた人からは、見事だと褒められるにしても。そう考えれば、結局、ひばりの正体が明かされなかった事に納得がゆくのだ。ネットの考察者には、ひばりはいじめを克服して組織を作ったという妄想もある。いやいや、金持ちだから、金の溢れる組織を運営できるのだ。芸能人を育成したり、天才集団を雇ったり、裏工作や金儲けに走ったりと、強くなる事とは全く別の方向と言える。金持ちの血筋なのに脚を悪くし、表舞台に出られないひばりの居場所が全中裏なのだ。

あすかについてまとめ……あすかは全中裏を比較的簡単に抜けられた。ひばりにとっては自分の親戚で、しかもお気に入りなので、再起不能の制裁というわけにもゆかなかったのだ。また、ひばりに取って、元々はおじじの依頼であすかを強くする仕事だったのだから、強くなった以上、留めておく根本的な理由が無くなっていた。あすかは強くなった後、おじじの屋敷の大庭園でおじじと会っている。そして、強くなった報告をしている。どうしておじじに報告しないといけないの? あすかは途中で、おじじの手引きだと悟ったからだ。あすかは賢い子だ。よって、偶然にひばりに助けられ、気に入られ、要職の地位を与えられ、影などの護衛を自分が得られるはずも無い事に気付いたのだ。ましてや、制裁なしにスムーズに全中裏を抜けられるわけもない。いじめられた以上、顔だけで人に好かれ、世の中を渡っていけないことも把握した。あすかにしても、ひばりの顔を見れば、母ちゃんに似てる事くらい分かるだろ。母ちゃん似だからこそ安心して身を委ねたのだ。そんなあすかにも知らない事があるとすれば、心の一番深い部分に住み着いているヨーコの正体だ(まあ、ヨーコも顔が母ちゃんに似ているわけだけど)。

 ひばりが血縁関係に無いお嬢様ならば、正体を最初から明かしても成立する。読者が知りたがっている事を作者は認識していたにもかわらず、長期連載の間に作者が一度も語ろうとしなかった理由は、おじじがひばりに依頼したという禁じ手こそが真相だからだ。言わば、おじじこそが黒幕という真相を隠すために、ひばりの正体を明かさなかったのだ。

 新あすか組が連載されていたのはインターネットの時代。つまり、読者の考察や本音の感想、希望を作者サイドが目にできる。新あすが組が打ち切られないよう、ひばりやおじじの正体という興味深いテーマで読者を惹き付けるべきピンチだったはず。にもかかかわらず、ひばりはおじじの娘とか、その手の展開にならないとなれば、読者からの強いクレームを避けるためと考えられる。信じられない人に言っておきたい。当ページの筆者ですら、「ひばりの父親がおじじ」、「教育界を親族で裏と表から支配する一族」という、興味深い設定を作り出せるのだ。天才であるはずの作者が、それ未満の設定しか用意できなかったのか? やはり明かせない理由があったのだ。真珠のピアスの話で、鋭い読者は察してくれというわけで、クレームするような鈍い読者には、あえて設定を明かさなかったのだ。また、クレーム以外にも、政財界とヤクザ界の繋がりなど、少女漫画にしては重過ぎる裏社会の事実を語る事になり、実現はできなかったのだ。他の考え方としては、15歳の不良少女・継子を50歳ちょいのオジジが妊娠させ、その子供がトキ政宗と ひばりなので、その設定は教育上、良くないので伏せたとか。次はジョークが続くが、新あすか組では、ヨーコやひばりがノーパンで生尻を出せば、人気が出たはずだ。もちろん、生尻を見せる事に説得力を出しての話だ。他には「処女ですか〜?」と街角インタビューの女達が、姫やユカリなど女キャラクターに詰め寄るのも面白い。ひばりの正体が明かせないならば、せめて、ひばりが処女かどうかくらいは明かして欲しかったものだ。

 ひばりの正体そのものよりも、正体が明かされなかった理由の考察の方が面白かったかな? もう1つ、強烈な考察を追加! 作者自体が全中裏のような集団に属し、天才の1人として漫画家になり、作品が大ヒットしたのでは? 考えてみよう。元・不良でもなんでもない人が、不良世界の物語を描けるのだろうか? もしかすると、師匠クラスの人に、表舞台には出られない金持ちがいたのかも……。そして、同じ組織に属していた他の女子は、アイドルになったり、政治家になったり、起業したりと、各分野で活躍するのだ。女が社会で活躍するとなれば、男からの圧力などが半端ない。元不良で精神を鍛えていないと、とてもじゃないが続けられない。政治家への出馬や社長になるだけならば国や自治体に届けるだけだが、ヤクザっぽい男達が怒鳴り込んできても、平静に対応できる度胸が必要というわけだ。また、不良時代に培った、仲間の男達に応援を頼めるコネクションも元不良ならではだ。現実の女性政治家の旦那が、元暴力団なんて実態が令和の時代でもある。妻が政治家になるので、暴力団を辞めただけの話。

 千代田区エリアマスター・東條寧々・11歳は印象的だろう。小学生のお嬢様だ。幹部候補と言える。ここでおかしいと思って欲しい。なんで不良グループの全中裏に、小学生のお嬢様がいるのだろうか? しかも他のエリアマスターと違い、バトルは実施しない。将来幹部の小学生なので、エリアマスターの地位で勉強しているというわけだ。全中裏は単なる不良グループの集団ではなく、最初から幹部は金持ちの秘密集団というわけだ。下っ端に位置する単なる不良も、兵隊として工作員になってもらえばいい。

 例え話だが、ヨットで海を渡るセーリングというスポーツがある。セーリングの小説や漫画を書いてヒットさせるには、セーリングの本を読んで海を渡る妄想を膨らませたり、プロやベテランの友達を作って、その人から詳しく話を聞く事で実現するのだろうか? いいや、自分がそのセーリングで海を渡ってみる事だ。更に言うと、そういう分野の経験がある漫画家だからこそ、そのテーマの漫画の仕事が来るのだ。参考までに、打ちきり作品が多数の週刊少年ジャンプで、かなりの長寿となる、こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)の作者は、もちろん葛飾区の生まれだ。大阪人や博多もんが葛飾区を研究したからといって、こち亀を描けるはずもないというわけだ(仕事が来る事も無い)。喧嘩・格闘漫画の作者・車田正美は元不良だった(柔道もやっている)。忍たま乱太郎の作者は女忍者だそうだ。実は連載当初は素人丸出しの絵柄で、絵だけならば、そこらの漫画家で充分のはずだった。しかし、忍者の漫画を描くに当たり、そこらの女漫画家では到底実現できない優位性があった。本人が女忍者という、途轍もないステータスだった。忍者組織すら実在するのだから、全中裏っぽい組織くらい当然あろう。


 映画タイムはご存知だろうか? 政府に寿命までも管理される社会なのだが、政府はあえてマフィア・ギャングを是認していた。理由としては、ギャングがいることでその街の治安が維持されるためだった。つまり、暴力的な組織を掌握することこそが、一般大衆社会をも掌握することになるのだ。現実でも、なぜ犯罪組織だと確定しているマフィアが無くならないかというと、それが社会の真実だからと言える。あすかの話に戻すと、既に述べたよう、中学生の不良組織を掌握することこそが、一般生徒を掌握することに繋がり、教育界で手腕を発揮できることに繋がる。そんな深い設定が、花のあすか組に埋め込まれているというわけだ。

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