ネットのムービーを見ると、凝ったバトルがあります。さて、その人は、ゲームそのものを完成させていますか? ほとんどの場合、格好いい演出の部分程度で中断し、その後、進捗が無くなるはずです。一方、キャラクターが跳んだり、動き回ったり、感情アイコンが頻度高く登場したりと演出が凝っている場合があります。コミカルで面白いですが、そういう場合も完成しません。素材を作る人ならば、完成させたゲームは不要ですが、演出家は素材として配布する事もしません。
特に初めての人がゲームを完成させたい場合には、標準システムを使う事が決め手です。船コモンやお店コモンなどは、拾ったのを使ってもいいでしょう。そして、まずは、ゲームそのものがエンディングまで行くように完成させてください。はい、それからバトルやキャラクターの動きに凝ってみましょう。ゲームを完成させただけで力尽きても、別に構いません。あなたはゲームを完成させ、恐らく発表している人です。ツイッターやネットの匿名掲示板などでは、「どんなにクソゲームでも、完成させられる奴は凄い」のようにつぶやく人がいます。演出は完成させてからでいいのです。物語すら、作るのは、ゲームそのものがエンディングに行ってからでも成立します。
それから、当サイトのゲームをプレイすると意味がより分かりますが、個人で物凄いゲームを完成させている人は、伝統的な宗教も含めて、精神的で高度な秘法を学び、修行をしている人がほとんどです。武道などで鍛えているのかも知れません。つまり、知識水準や精神状態が普通の人とは違います。同じ人間だと思ってはいけません(笑) まずはどんなにショボくてもいいので、完成させましょう。
◆ゲームを完成させるには?◆
1.作る理由を明確にする。
「○○みたいなゲームを作ってみたい。」「私はこんな面白い企画を準備できた。試しに作ってみようかな。」のような軽い理由・根拠では恐らく完成させられない。「プロになるために・収入を得るために、今の時点でこんなゲームを完成させる必要がある」「自分だけの世界を実現したいんだ」のような強い意志である必要がある。「自分はあんなゲームよりも確実に面白いのを作る自信がある」のようなエネルギーも完成に対して悪くない。
2.生活をしながらゲームを作るのではなく、ゲームを作りながら生活をする。
ゲームを作るのが最優先で、腹が減ったら食べる、買い物に行きたかったら行く、勤務先の仕事があるならやる……のように、最優先事項をゲーム作成にし、他は一応やっておくという域に優先度を下げる。時間があったらゲームを作るのではなく、ゲームを作っているけれど、気が向いたら勤務先の仕事をし、買い物に行くという具合に。
あなたが勤務者とします。もし、恋人と会う約束などがあれば、残業はせず帰るはずです。デートを優先しているからです。もし、ゲームを作りたいという想いがあるのに家に帰らないのであれば、ゲーム作りを非優先にしている事を意味します。この状態で作れる程にゲーム作りは甘くありません。
事例:当サイトの妖魔ハンター〜聖魔対戦の開発手法
・学校のマップチップ素材を見つける
・制服キャラのチップ素材を見つける
・顔グラフィック生成ソフトを見つける
・1画面のマップを使ってキャラクターを配置
・モンスターの能力値を設定
・単純な数字比べゲームで勝敗を決める
・中ボスや大ボスを倒した時だけストーリーが進む
こんな感じでバージョン1.00はできました。凝ったシナリオの設定や、はまれるカードゲームの構築、モンスターや人物、風景、シーンのイラストなんてのは、後からでも充分に設定できるという事例。ちなみに、立ち絵や背景、シーン絵なんてなくても、シナリオとツールの顔グラと単純なゲームとモンスターで雑誌に掲載された。完成させる事が最も重要で、詳細の企画なんてのは後から考えてもいいくらいだといえる。
雑誌掲載はゴールではなく、更にバージョンアップを積み重ねている。最初から壮大な企画やストーリーを作ってしまっていたら完成はなく、人の目に留まる事はなかっただろう。実は本編の妖魔ハンター〜吸血姫の秘宝という学園RPGは、全くその状況で、3年経ってもいまだ完成していない。正確には3年間全く開発にタッチしていない。そしてとっくに作る気力がなくなっている。公開もしていない。
◆ウディタは万能ツール◆
「ウディタでどうしてサウンドノベルなんて作るのかな? アドベンチャーゲームを作れるツールはたくさんあるのに。」のように語る人もいる。色々なゲーム開発ツールを使った事の無い人だと、こんな話をしてしまいがちだ。まず、アドベンチャーゲームを作るソフトのほとんとがスクリプトと呼ばれ、ほぼプログラミング言語で、関数やメソッドを呼び出す命令を延々と書く必要がある。スペルミスがあったら、たちまちエラーとなるのだ。つまり、アドベンチャーゲームを簡単に作れるソフトなんて存在しないのだ。いやいや、実は簡単なソフトはある。しかし、今度は簡単過ぎて、画像が2つしか表示できないとか、表示位置が3つに決まってしまっているとか、ファイル形式が決まっているとか、癖があり過ぎ、使い物にならない場合がほとんどなのだ。実際、最も使われているのはスクリプトを書く吉里吉里だが、理由はこう説明できる。簡単に制作できるソフトは機能を考えると使い物にならず、とても使う気がせず、他のツールにすぐに乗り換えてしまい、完成したゲームは限られてくるわけだ。結果的に演出が豊かな吉里吉里の完成作品が増える事になる。さて、演出豊かと語ったが、ウディタでは全て実現できる。しかも、吉里吉里には無い機能がウディタには多彩だ。スクリプトは一切不要。つまり、吉里吉里を使う理由が全く存在しないのだ。話を戻すと、ウディタでサウンドノベルを作るのは正解。色々とAVGツールを模索したが、どれも使いこなせないか、使い物にならない。この状況を考えるとウディタの作者は、非常に開発力があり、相当に頭がいいと思われる。
RPGツクールVXでも、ウディタに準じる演出はできるのだが、解像度は改造しても640×480となり、アドベンチャーゲームでは使い物にならない。AVGをRPGツクールで作ってもいいのだが、800×600の演出を実現したいならば、自動的にウディタを選ぶというわけだ。
→MVの登場で改造度はクリア
■完成ゲームをムービーで見せる人■
なぜかゲームを、ユーチューブやニコニコ動画などにアップして全て見せる人がいます。理由を語ります。普通にゲームを公開しても、プレイヤーの数は極めて少ないからです。ムービーならば、意外に視聴者が伸びる可能性があります。せっかく作ったのに、ほとんどはプレイヤーすら現れないのが現状なのです。中には女の子が作ったと称して、男が作っているのがバレバレなタイトルで、ムービーを見させようとする人もいます。それくらいして、ようやく人の目に留まるという世界なのです。
同人ゲームの作り方
コラムページへ
トップページへ